§大串健吾 学術論文(和文論文)
・学会誌等の査読のある原著論文
・学会誌等の査読のある解説論文
・寄稿・その他
1.聴覚末梢系の神経結合モデル
共著 1968年3月
日本音響学会誌、Vol.24, No.3, 151-160頁
著者 大串健吾、境 久雄聴覚神経系における第1次神経細胞は、耳に入ってくる音刺激に対して鋭い周波数選択特性をもつ。この周波数選択特性は末梢における神経回路がどのように結合されて生じるものであるかをコンピュータシミュレーションで調べた。さらに、このモデルで、他の音によるマスキング効果も第1次神経のレベルで生じることが予測され、実際の生理実験んにおいて確認された。
2.聴覚系の情報処理機構のモデル
単著 1971年4月
電子通信学会論文誌、Vol.54-C, No.4 332-339頁聴覚系の優れた情報処理のメカニズムは組織学的にはまだほとんど明らかにされていない。この研究では、聴覚器官および、複雑な神経回路網を電子回路およびコンピュータシミュレーションにより置き換え、聴覚神経系の各部位(末梢神経から、中脳、間脳等)の神経細胞において観測されている聴覚生理実験データを説明できるようなモデルを構成した。
3.聴覚末梢系の側抑制機構に関する一考察
単著 1972年11月
電子通信学会論文誌、Vol.55-D, Vol.11, 730-737頁複合音の高さ(ピッチ)は、その基本周波数に等しい周波数の純音とほぼ等しくなる。このことは、複合音の高さは音響波形のピーク時間間隔の逆数によって説明可能であると言われてきた。しかし、この説明も完璧なものではなく、わずかなずれ(第2次レジデュー効果)があることが分かってきた。この論文は第2次レジデュー効果を神経回路網によって説明しようとした試みの一つである。
4.複合音の高さの知覚形成のメカニズム
単著 1976年5月 日本音響学会誌 Vol.32, No.5 300-309頁人間が音を聞いたとき聞こえる高さは必ずしも一つではなく複数の場合もある。楽器音のような基音と倍音から成る複合音の場合に、音の高さが複数感じられることが多い。この論文では複合音の高さがどのような聴覚神経活動と関連し、どのようなメカニズムで知覚するのかを考察した。
5.複合音の音色を支配する物理的・心理的要因について
単著 1980年5月
日本音響学会誌 Vol.36,No.5, 253-259複合音の音色を支配する物理的および知覚的要因を探るために、コンピュータにより合成された三成分複合音の音色の類似性判断の心理実験を行った。その結果を多次元尺度法で分析し、音色を支配する要因としては、1)最低および最高周波数成分、2)スペクトルの重心、3)隣接成分の周波数比がとくに重要であることが明らかになった。1)2)は知覚的には音色の「かん高さ」を支配し、3)は音色の協和・不協和感を支配している。
6.相関係数変化法による新しい音像の拡がり感制御方式
共著 1984年3月
電子通信学会論文誌 Vol.67-A No.3 pp.204-211
著者 黒住幸一、大串健吾1チャンネルの音響信号を新しい疑似ステレオ方式として帯域分割式と移相式の二方式を提案した。また前者をコンピュータで構成し、この疑似ステレオ方式で再生した音楽や音声の聴取心理実験を行った。その結果、この方式の有効性が確認された。本人分担部分抽出不可能の共同研究。
7.複合音の高さの循環性とその応用
共著 1984年5月
電子通信学会論文誌 Vol.J67-A, No.5 423-430頁
著者 大串健吾、神谷佳明Shepardにより提案された無限音階を構成する複合音群およびそれらのスペクトル構造を修正した2種類の複合音群それぞれについて高さの1対比較実験を行いその結果を非計量的多次元尺度法により分析した。その結果、音の高さが1次元性と2次元性(循環性)の入り交じった性質をもつことを示された。また7度の範囲の複合音群を用いて、10度の範囲から成る旋律を自然に感じられるように合成することに成功した。
8.音像の空間的印象の定量的表現
共著 1984年7月
日本音響学会誌 Vol.40,No.7 pp.452-459
著者 黒住幸一、大串健吾9.相関係数変化法による音像の距離感制御方式
共著 1984年9月
電子通信学会論文誌 Vol.67-A No.9 pp.872-879
著者 黒住幸一、二階堂誠也、大串健吾もともと1チャンネルの音の距離感を制御することは一般的には極めて困難である。この研究は2チャンネルステレオ方式で音の距離感を、両チャンネル間の相関係数を移相回路方式を採用して連続的に変化させるシステムをコンピュータシミュレーションで構成し、聴取実験を行ったものである。実験の結果、距離感をスムースに制御できることが明らかになった。
10.2チャンネル音響信号の相互相関関数とヘッドホン受聴時における音像の空間的印象
共著 1985年6月
日本音響学会誌 Vol.41, No.6 pp.368-377
著者 黒住幸一、大串健吾ステレオ方式をスピーカで聴取した場合とヘッドホンで聴取した場合には空間的印象が異なる。この研究は、両耳間の音響信号の相互相関関数を変えてヘッドホン聴取の場合の聴覚的(空間的)印象を実験的に調べた。
11.2チャンネル音響信号の相互相関関数とヘッドホン受聴時における音像の拡がり感の対応関係
共著 1986年6月
日本音響学会誌、Vol.42,No.6 pp.425-431
著者 黒住幸一、大串健吾2チャンネルステレオをヘッドフォンで聴取したときの音像の印象は、主として頭内の音の拡がり感、上下方向感、左右方向感等によって支配される。この研究では、両耳に加わる音の差異度(相互相関関数)をさまざまに変え、それによって音像がどのように変化するかを系統的に調べた。
12.音による避難誘導について
共著 1986年
日本火災学会誌「火災」 Vol.36,No.1 pp.24-29
共著 神 忠久、大串健吾ビルや地下街で火災の際、避難口誘導灯が煙によって見え難くなり、人々の避難が困難になることがある。そこで音による避難誘導のために、6種類の避難誘導音を作成し、それらを使用して25人の被験者を用い、避難誘導実験を行った。その結果、避難誘導に適した音としては、音の快さ、明るさ、安心できる、という印象と、迫力や目立ちやすさという逆の印象の妥協によって作られた避難誘導音が適切であることが明らかになった。
13.ハイビジョン用ステレオ音声方式
共著 1988年6月
テレビジョン学会誌「画像情報工学と放送技術」Vol.42, No.6 pp.579-587
著者 黒住幸一、辻本 廉、小宮山摂、盛田 章、大串健吾、氏原淳一NHKで採用しているハイビジョンのステレオ方式を決定するために行った評価実験と分析結果について詳細に記述した。結果としては、前方3チャンネル、後方1チャンネルの3-1方式4チャンネルステレオが最もバランスの取れた方式であることが明らかになった。
14.音響信号の両耳間相関関数に基づく音像定位の予測モデル
共著 1988年10月
日本音響学会誌 Vol.44, No.10 pp.726-734
著者 黒住幸一、大串健吾2チャンネルスピーカ再生における音像の定位方向を両耳における音響信号の相互相関関数から定量的に予測する新しいモデルを提案した。従来のモデルはスピーカ入力における音響信号には時間差がなくレベル差のみがある場合にしか適用できなかったが、このモデルは時間差がある場合にも適用可能である。さらに心理実験を行いモデルの有効性を確認した。
15.高い音域における音楽的ピッチの知覚
共著 1991年2月
日本音響学会誌 Vol.47,No.2 pp.92-95
著者 羽藤 律、大串健吾1,000 Hzから15,000 Hzまに至る平均律に調整された純音を用い、63人の音楽専攻の大学生を被験者にして、音名の絶対判断の実験を行った。その結果、正答率は、ピアノの最高音の4,186 Hzまでは高いが、その半音上の音である4,435 Hzを越えると、50%以下に低下した。個人的に正答率の極めて高い聴き手が見い出されたが、これらの現象を聴ニューロンの動作と関連づけて論じた。またクロマの固定(C音やB音で正答率が高くなること)も観測された。
16.ピアノの計算演奏に対する聴取者の反応 ショパンのワルツの一節による実験
共著 1993年1月
日本音響学会誌 Vol.49,No.1 pp.19-27
著者 田口友康、大串健吾、大前 努、山崎広子、真木ゆき奏譜によってMIDI付のピアノを作動させるという計算演奏の手法を用いてショパンのワルツ9番の冒頭16小節を16通りに弾き分けた演奏を生成した。演奏は伝統的と通俗的な様式を意図したものをそれぞれ実現した。各演奏を15名のピアノ専攻学生がSD法で評定した結果、「正常な-くせのある」、「感情的-理知的」という意味を持った直交する二つの軸が抽出された。最も好まれる方向は正常と感情的な方向の中間であった。
17.打楽器演奏における演奏者の意図の伝達 視覚と聴覚の相互作用
共著 1994年8月
日本音響学会誌 Vol.50, No.8 pp.613-622
著者 佐久間真理、大串健吾打楽器演奏における演奏者の意図の伝達が、視覚情報と聴覚情報にどのように依存し、どのような干渉をするかを調べた。演奏者が太鼓類のみによる同一曲を7通りの意図で演奏し分けたものをVTRに収録し、SD法による心理実験と分析を行った。演奏音の物理分析も行った結果、聴き手への伝達には聴覚のみでなく視覚の影響がかなり強く、VTRを視聴した場合は、視覚情報と聴覚情報単独の印象が平均化された印象となった。
18.絶対音感を持つ音楽専攻学生によるメロディの認知
共著 1994年10月 日本音響学会誌 Vol.50, No.10 pp.780-788
著者 宮崎謙一、石井玲子、大串健吾絶対音感の能力は従来から非常に優れた音楽的能力であると考えられてきた。しかし音楽は本質的に相対音高関係の上に成立するので、絶対音感は音楽にとってどのような意義を持つのかが問題になる。絶対音感を持つ音楽専攻の大学生が相対的音高関係をどのように認知するのかについての心理実験を行った。実験の結果、正確な絶対音感を持つグループは、絶対音感と巧妙なストラテジーを組み合わせて判断したものが多く見られた。
19.日本語歌声における母音明瞭度について
共著 1995年12月
音楽知覚認知研究 Vol.1 pp.43-52
著者 津幡泰子、大串健吾女性歌手が基本周波数の高い母音を発声した場合、その母音がわかりにくくなることは経験的によく知られていることである。そこで日本語における母音の明瞭度が基本周波数によってどのように変化するかを5人の歌手の発声を用いた聴取実験で調べた。その結果、基本周波数が500 Hz付近から急激に低下し始め、890 Hzより高い声での音韻性の同定はほとんど不可能になることが明らかになった。この原因を明らかにした。
20.ピアノ演奏による音律の主観的評価
共著 1996年3月
音楽学 Vol.41, No.2 pp.111-124
著者 下迫晴加、大串健吾音律には平均律の他に、純正律、ピタゴラス音律、ヴェルクマイスター音律、キルンベルガー音律などが存在する。通常のピアノは平均律で調律されているが、平均律を否定する意見も強力に主張されている。そこでさまざまな音律によるピアノ演奏を用いてどの音律が優れているのかを聴取実験により調べたところ、概して平均律が最も優れていることが明らかになり、上記の主張は心理学的な裏付けのないことが示された。
21.ピアノ演奏の聴取印象と演奏の物理的特徴の関連性
共著 1996年5月
日本音響学会誌 Vol.52, No.5 pp.333-340
著者 末岡智子、大串健吾、田口友康8人のピアニストがショパンの「別れのワルツ」を3種類の演奏意図で演奏した。27人の聴取者が各演奏を聴き、SD法によってその印象を評定した。それらの結果によれば、演奏意図は十分に聴取者に伝達され、中庸のテンポでアゴーギク(テンポのゆれ)の比較的大きい演奏が好まれていることが示された。演奏の印象評定とその物理量の対応関係を調べたところ、最も影響のある物理量はテンポ及びアゴーギクであった。
22.ピアノ演奏の印象評定における視覚と聴覚の相互作用
共著 1996年12月
音楽知覚認知研究 Vol.2, pp.27-37
著者 下迫晴加、大串健吾音楽演奏の印象評定における視覚と聴覚の相互作用を調べるため、ピアニストに同一曲を演奏の表情と身体の動きそれぞれにつき3段階の大きさで演奏してもらった。これらを組み合わせて9通りの視聴覚刺激をVTR録画した。評定者(視聴者)が感じる各演奏の表情の主観的な大きさを心理実験で調べたところ、視覚の影響が非常に大きかった。とくに評定者が美術学部学生であった時にはその傾向が顕著であった。
23.旋律の記憶難易度を規定する要因 絶対音感保有者の場合
共著 1997年9月
日本音響学会誌 Vol.53, No.9 pp.698-705
著者 奥宮陽子、大串健吾音楽訓練を受けた者のうち、絶対音感保有者が旋律を記憶する際の各音の記憶難易度を心理実験によって調べ、その要因を探求した。実験素材には調性的旋律と非調性的旋律を用いた。どちらの旋律でも系列位置と音階上の機能が記憶難易度に影響を及ぼす主要な要因であることがわかった。数量化理論による分析の結果、二つの要因によって各音の正答率の80%以上を説明できることがわかった。
24.短い旋律の類似性判断に及ぼす刺激要因と音楽経験の効果
共著 1999年6月
音楽知覚認知研究 Vol.5, No.1, pp.11-21
著者 宮坂文子、大串健吾この研究では、旋律を形成する要因として、リズム、輪郭、旋法、和声機能の4つを取り上げ、各要因の旋律の類似性に及ぼす影響が音楽経験の個人差によってどのように異なるのかを心理実験により調べた。音楽経験の少ないグループでは輪郭の影響が強く、多いグループでは、和声機能や旋法の影響の方が強いことが明らかになった。
1.工学的にみた聴覚器官の特性
単著 1975年2月 生体の科学、Vol.26,No.2 pp.52-632.音響心理?音の高さと音調性
単著 1975年10月 放送技術、Vol.2,No.10 pp.738-7423.耳の中で生じる非直線ひずみ
単著 1976年 日本オ ディオ協会誌、Vol.16,No.1 pp.2-8(1976)4.視聴覚系のモデルによる研究、
共著 1979年1月 計測と制御、18巻 1号 pp.22-29(1979)
著者 福島邦彦、大串健吾5.音の高さの知覚機構
単著 1979年4月 応用物理 Vol.48,No.4 pp.318-3246.聴覚心理学における問題点?音色と高さの関係
単著 1980年3月 計測と制御 Vol.19,No.3 pp.44-487.音色および音質の研究
単著 1980年12月 テレビジョン学会誌、Vol.34,No.12 pp.1079-10878.耳の機能
単著 1982年9月 システムと制御、Vol.26,No.9 pp.559-5669.音による避難誘導について
共著 1987年 照明 No.177、pp.13-19
著者 神 忠久・大串健吾10.ハイビジョン用3?1方式4チャンネルステレオ
単著 1987年11月 JAS journal Vol.27,No.11 pp.5-1211.音声による積極的避難誘導システム
共著 1995年9月 照明学会誌、Vol.79,No.9, pp.532-537
著者 伊藤洋一、大串健吾12 音楽演奏とコミュニケーション
単著 1996年7月 日本音響学会誌 Vol.52,No.7 pp.558-56213.演奏の心理学的研究 音楽的な演奏とはなにかを探る試み
共著 1996年12月 JAS journal, pp.31-35
著者 奥宮陽子、大串健吾14.平均演奏の音楽的表現の分析
単著 1998年 基礎心理学研究 Vol.17, No.2 pp.117-12115.感心する演奏と感動する演奏
単著 2000年5月 日本音響学会誌 Vol.52, No.5 pp.349-35316.音楽知覚認知研究の動向
単著 2000年12月 ExMusica(季刊エクスムジカ)No.3 pp.14-211.楽器を聴きわける
単著 1980年 サイコロジ? No.9 pp.10-152.無限音階の話
単著 1981年 JAS journal、Vol.21, No.7 pp.23-253.HDTVにふさわしいステレオ音響とは
単著 1988年2月 サウンド、No.3 pp.4-64.第1回音楽知覚認知国際会議(ICMPC)
共著 1990年3月 日本音響学会誌、Vo.46,No.3 pp.286-287
著者 大串健吾、難波精一郎5.音楽の知覚と認知
単著 1991年7月 電子情報通信学会誌、Vol.74,No.7 pp.735-7376.演奏者の意図の聴取者への伝達
共著 1991年10月 日本音響学会誌、Vol.46,No.10 pp.831-834
著者 大串健吾、千住真理子7.第9回国際聴覚シンポジウム
単著 1991年12月 日本音響学会誌、Vol.47,No. pp.975-9768.第2回音楽知覚認知国際会議(2nd ICMPC)
共著 1992年10月 日本音響学会誌、Vol.48,No.10 pp.753-754
著者 大串健吾、桑野園子9.ケンブリッジ大学滞在記
単著 1993年4月 日本音響学会誌、Vol.49,No.4 pp.300-30310.紹介 吉川茂著
『ピアノの音色はタッチによって変わるかー楽器の中の音響学』
単著 1998年 平成10年5月 音楽学 Vol.43, No.2 pp.139-14011.音響からみた楽器
単著 2000年 礼拝と音楽、No.106, pp.20-23.12.特集 音響学における20世紀の成果と21世紀に残された課題 第1部分野別の流れ 音楽音響分野
共著 2001年1月 日本音響学会誌 Vol.57,No.1, pp.21-26
著者 吉川 茂、小坂直敏、大串健吾、山田真司、永井啓之亮